今回は、アートセンターHANAの商品「厄除鬼」の製造過程と誕生の秘密を特集してみました。
厄除鬼の色にはそれぞれちゃんとした意味があり、人間のもつ様々な煩悩(厄)を払うお守りとして生み出されました。
単なる陶人形ではなく、土を焼いて作った鈴・・・「土鈴(どれい)」として完成した、この厄除鬼。
ぜひゆっくりとご覧ください。
『厄除鬼』とは?
奈良にはその昔、鬼が悪者を退治したという厄除の伝説があり、節分には「鬼は内。福は内。」と、あえて鬼を招き入れて、厄払いをする習慣が一部の地域にあります。
悪者を退治してくれるから、あえて迎え入れるなんて…面白い風習ですね。
たんぽぽの家・アートセンターHANAでは、厄除けのお守りとして年間約2000個の厄除鬼を手作りしています。
35年以上前から作られていた歴史のある厄除鬼ですが、当初は粘土を手びねりしてつくっていました。
17〜18年前からは、カランコロンと音の鳴る土鈴(どれい)がつくられるようになり、今の形になりました。
『厄除鬼』の色の意味
色は全部で8種類。
赤の厄除鬼は「貪欲」。
青は「怒り」。
黄は「我を通す」。
黒は「愚痴」。
緑は「不摂生」を表し、それぞれの厄払いとご多幸をお祈りするお守りとして、Good Job!センターだけでなく、奈良県内のお寺でも販売され、多くの人に親しまれています。
制作の現場をリポートしてもらいます。
厄除鬼ができるまで
厄除鬼ができるまでには、たくさんの工程があります。
まずは型取りです。下の写真のように、溶かした粘土を鬼の石膏型へ流し込み、固くなるまで待ちます。
(この時、そのままはがしちゃうと鬼の顔がグニャッとなってしまうので注意がいります。)
固くなってきたらいよいよ型抜きです。
輪ゴムを外して、プラスチックナイフなどで隙間を作り、スポッと型抜きをします。
(以前は鬼の型の側面を「ポンッ!」と叩くという技法でしたが・・・。)
その後は、鈴の玉を厄除鬼の中へ入れて、プラスチックナイフや竹べらでバリ取りをして、最後は筆で仕上げます。
拭き上げが甘くないか、罅割れがないかなどの最終点検をして、合格すると窯入れをします。
窯から出すと色塗りです。
厄除鬼は、赤・青・黄色・緑・黒・銀・金・白の8色があり、大と小の二つの大きさがあります。
着色までは私を含めて「たんぽぽ陶芸部」のメンバーで行いますが、目や模様などの仕上げの絵付けは、
ボランティアさんなどに行ってもらっています。
最後に
仕上げに厄除鬼の木札と紐を通して包装紙でくるみ、厄除鬼のタグと一緒に箱の中へ入れます。
箱に厄除鬼シールを貼り付けて完成です。
お気に入りの色を見つけて、玄関やリビングなどに飾ってみてはいかがでしょうか。
文責:松村賢二(Good Job!センター香芝)