日本ボランティア学会2004/2005年度版学会誌

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特集 共生の社会技術/都市の協同性


(A5判240ページ)
特集 共生の社会技術
■「共生の社会的技術」をめぐって
──田中夏子(都留文科大学)
■経験を次世代につなぐ
──塩瀬隆之(京都大学大学院情報学研究科)
■異質さが社交する地域のために:NPO学習会の5年間
──能勢桂介(NPO学習会)
■社会福祉協議会の改革に向けての第一歩
──美谷島越子(長野県社会福祉協議会)
■座談│地域で学ぶ・地域に学ぶ:松本大生に聞く
──白戸洋(松本大学)、楠原彰(国学院大学)、ほか

特集 都市の協同性
■現代日本における外国人労働者の状態:路地は現状打破のブレイクスルーになるか
──丹野清人(首都大学東京)
■ボランティア・プログラムと雇用にみる、イギリス博物館・美術館におけるソーシャル・インクルージョン活動
──島村ウィルコックス有香(博物館学)
■「さあトーマス」という試み
──中川真(マルガサリ/大阪市立大学)
■講演録│都市の協同性:まとめにかえて
──栗原彬(政治社会学、日本ボランティア学会代表)

投稿
□共生空間の開拓:見沼田んぼ福祉農園の実践をめぐって
──猪瀬浩平(見沼・風の学校)
□地域福祉計画へのローカルガバナンス導入の有用性に関する研究
──岩満賢次(立命館大学大学院)
□世代間におけるボランティア意識の比較に関する一考察:中高年ボランティア実態調査および専門学校生ボランティア意識調査の分析を通して
──中嶌洋(上智大学大学院)
□中高年男性ボランティアの課題と可能性:サークル鶴の恩返しの誕生と発展から
──西尾敦史(宇都宮短期大学)
□香川県の市民活動の変遷とカレッジコンソーシアム構想:地域市民社会活動としての実践家育成構想
──福家明子(香川ボランティア・NPOネットワーク)
□学校組織で展開されるボランティア活動に関する一考察:活動にともなう偏見と差別意識の再構築
──森昭代(東北大学大学院)

書評
□『市民参加型社会とは』吉見俊哉、有斐閣
──大前純一(エコプラス)
□『福祉に、発送の転換を!』谷口奈保子、ぶどう社
──槇ひさ恵(NINJIN)


▼ 筆者は決して「技術」を軽んじたり、本質的でないと主張する意思はない。むしろ、道具を一から自分たちの手で生み出すという行為に、大きな意義や可能性を認めるものである。……しかしにもかかわらず、「共生」が、それぞれの生にとってなぜ切実な課題となり得るのかは、別に追求されなければいけない課題だと考えている。なぜなら「技術」として正しい「共生」が、「生きる場」として適切な「共生」になるかどうかの保障はないからである。(田中夏子)

▼人から求められる、期待されることを通して、学びという目的を見い出した。……論理性や知識も必要だし、一方で生活や体験の中から得られる智恵というものも必要だし、その両方を織り込みながら、どうやって人と生きていくのかを考えるのが、彼ら(学生たち)にとっての(共生の)技術なんです。(白戸洋)

▼社会全体が富める者と貧しき者との二極化の進行と相まって、労働市場から排除された者たちやこれから労働市場に入ろうとする新規参入者が背負い込まなくてはならない悲惨は関心を集めている。……周辺部で働く者の多くが、労働を行う現場において労働者として存在するのではなく、人格を欠いた労働力としてしか認められていない、という厳しい現実と向かいあわざるを得ない。そして、人格を欠いた存在としてしか認められていない労働力の典型が外国人労働力である。(丹野清人)